人気ブログを作り上げるとはこういうことなんだね:『「Chikirinの日記」の育て方』
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最終更新日:2014/05/03
レビュー
こんにちは、ciao!ton(@tonton67)です。
「Chikirinの日記」とは、月間200万PV(ページビュー)を誇る人気ブログ。ぼくがこのブログの存在を知ったのは数年前。独自の視点で描かれている記事の内容が面白くて、それ以来のファンなのですが、今回は、そのブログ運営の内幕を描いた電子書籍がKindleから登場!
電子書籍としては強気の991円という値段設定に、最初見たときは正直「うーん、どうしようかな」と思ったのですが、人気ブログの内幕が知りたくて、ポチッと購入してしまいました。
で、読んでみた感想ですが、ブログなりWebサイトなりで、自分の意見を明らかにしたい!という人にはオススメしたいですね。でも、「自分もたくさんのアクセスを集める人気ブログを作りたい」と考えている人にはあまり参考にならないかも。ちきりんさんも本の中で述べていますが、いろんな運、時代の流れ、新しいツールとのタイムリーな出会いなどがあって人気が出た側面もあるので、ちきりんさんと同じことをやっても、同様の人気が出るかどうかわからないからです。
今回、僕はこの本を読んでみて、ちきりんさんが、自分のメディアを持つというゴールを明確化して、それを達成するためにどんな判断をし、ルールを設定してきたのかを理解することができました。すごく興味深かったです。
・プログの起点は、「これについて書く」とか「この本を紹介する」ではなく、「このことを伝えたい」というメッセージの発生なのです。
・イメージしているのは、「飲み会で、友達に伝えたいことを一生懸命話している私の声を書き起こした文章」
・自分で音読し、その音を耳から脳に伝えたときに、楽しくなれるような文章、ワクワクできたり、クスッと笑えたりする。そういう文章が読み手にとっても楽しい文章だろうと思っているので、最近は特に読後感のよい文章を心がけています。
ぼくもブログを書いていて常に思うのが、「何のためにこの記事を書くのか」ということ。本来は、ちきりんさんのように「伝えたいこと」があってそれについての記事を書くのが王道なんでしょうが、ついついネタ探しをしてから、書いてしまうことがあるんですよね。後で考えれば、とにかく記事を書くというのが目的となってしまっており、結局何を伝えたいのかイマイチわかりにくくなっていることも。
また自分で音読しているというのも目から鱗でした。だからちきりんさんの文章はテンポがよく読みやすいんですよね。漢字も多用されておらず、滑らかに読めます。なるほどな~。
自分の目標を達成し、途中で惑わないよう、いろんなルールを設けているということも驚きでした。
なんかゆるい感じの文章なので、アバウトな感じで運営されているのかな、と思ったら大間違い。厳格なルールが設定されており、それに準拠する形でブログが運営されているんですね。
気になったルールは次のとおり。結構多岐に渡ります。
・個別の依頼を受けるか否かの判断基準は、次の二点に決めました(時間や手間がかからないか/ブログを読んでいる読者を増やせるか)
・「ネットの中の人」にはならない
・つながる世界ではつながらない
・オープンな場所に居続ける
・コンテンツを散逸させない
・他者に"ちきりん"のアクセス数を悪用させない
・信用力を売らない
・テンプレートメールで依頼された案件は受けない
・よほどの大企業でない限り、商品やサービスへのクレームはネットには書かない
・企業訪問/タイアップに関する依頼を受けるかどうかを判断するポイントは、まずは自分自身がユーザーとして、そのサービスにワクワクできるかどうか
それぞれのルールは、言われてみれば当たり前のことなんですが、それをしっかり自分のブログに当てはめることができるか、というとなかなか自信がないですね。
他の有力サイトから執筆を依頼された場合でも、ちきりんさんは、それを受け入れればPVが増えるとわかってながら、「コンテンツを散逸させない」というルールを守って執筆を断っています。ブログを書いている人ならわかると思いますが、自分の文章はできるだけ多くの人に読んでもらいたいと思う気持があって当然です。それを自分のルールを優先して断ってしまうのですから、すごいな、と思います。
あと一番印象に残ったは次の文章。
こういう視点があるからこそ、そしてこうした努力を積み重ねてきたからこそ、「Chikirinの日記」は人気ブログになったんでしょうね。
時間はかかったにせよ、これだけのアクセスを集める人気ブログに登り詰めたのですから、ちきりんさんの戦略も見事だと思います。
「Chikirinの日記」を愛読している人なら、読んでみる価値はあると思いますよ!
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