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「生まれによる階級がなくても、才能による格差は存在する 」

公開日: : 最終更新日:2014/05/03 レビュー

為末大氏の「諦める力」が素晴らしかったので、ご紹介します。

タイトルの言葉、どきっとしますよね。日本の社会では格差・階級がないということが前提となっていますが、為末氏はあっさりとそれを否定しています。でも格差があるとはどういうことなのか?

才能があるから努力することが気にならない
生まれながらにして速く走れる人もいる。さほど練習もしないのにサッカーが上手な人がいる。努力しなくても頭がいい人もいる。一方で、できる人の何十倍練習しても、何十倍勉強しても、絶対に追いつけない人たちがいる。どんなに否定しようとしても、才能による格差はなくならない。
僕は、物心ついたときから足が速かった。足が速いから競争に勝つ。勝つとほめられる。だからもっと練習して、もっと速くなろうとする。するとどんどんタイムがよくなっていく。才能があるから努力することが苦にならない。だから、人より多く練習できて、さらに能力が伸びていく。僕に走る才能があったら、そういう好循環が生まれた。

これ、成功を収めた人が必ず通ってきた道ではないでしょうか。

イチローも、「野球はそれほど練習しなくても、他の人より上手かった。だから自分には野球の才能があるんだなと思った」と語っています。つまり自分は他の人よりも生まれつき野球の才能があると自覚しているわけです。

よく人は、イチローの才能が開花したのは、毎日すごい練習をやったからだ、といいます。実際にすごく練習したわけですが、才能のない人が同じ練習をしても、イチローのレベルにまで到達するのは難しいでしょう。

才能ある人がその分野でがんばると、当然結果が出ます。そうなると楽しくなって、もっと上を目指そうと「夢中」になります。

ぼくは一流になるための大きな要素として、才能に加えてこの「夢中になる」ということがとても重要だと思っています。

あるテレビ番組で、スポーツ選手が他の選手のことを評して「上にいくための努力を夢中でできる奴にはかなわない」と言っているのがとても印象的でした。

スタープレーヤーは、努力を努力と思わず、努力そのものが楽しいという星の下に生まれていることがほとんどだ。

本来努力はつらいものです。でも自分に才能があり、結果で出るのであれば、それはその人にとっては楽しいことになり、「もっと努力しよう」、「他にいい方法はないか」と夢中になるわけです。

夢中でそうした努力をし続けられる人と嫌々努力する人、どちらの方が結果が出ると思いますか?。

ぼくも、スポーツ全般は苦手でした。でも小学生のとき、14kmを走るイベントがあり、そこで何の練習もしていないのに数百人参加した中で、いきなり3位に入ったことがあります。

スポーツなんかからっきしダメだと思っていたのに、長距離走は得意なんだ、ということを知ることができたのは驚きでした。その後、中学・高校は陸上部に入部して長距離レースに出場。残念ながら、それほど才能があったわけではないので一流にはなれませんでしたが、練習すればタイムが上がっていったので夢中になった覚えがあります。

誰しもそうした経験はあるんじゃないでしょうか。そして重要なのは、自分に才能があると思ったことを突き詰めていけるかどうか。自分が好きなこと、才能があると思うこと、夢中になれることを試してみて、自身の力を見極め、自分が優位性を保てるのかどうかを判断し、保てるのなら、そのまま突き進む。うまくいけば一流になれるかもしれません。

この「諦める力」には、他にも参考になる考え、おもしろいエピソードが満載。他の人がなかなか口に出していわないことに、為末氏がズバッと切り込んでいるので、読んでいて爽快になります。今やっていることに悩んでいる人におすすめです。

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